並走守備が変わる。5年生が「1歩目」と「止まり方」で相手の前に立てるようになった症例

はい、こんにちは。谷田部です。

今回は、先週の症例カルテから「守備で奪いきれない5年生」が、並走守備を卒業して相手の前に立てるようになったケースをまとめます。

監督やコーチから「奪え!行け!」と言われて行ったはいいけど、奪いきれない。もっと言うと、相手がドリブルしている横をただ並走してしまう。これ、現場で本当に多いです。

今回、親御さんから頂いた悩みは明確でした。

  • 並走になってしまう
  • 相手との距離感が掴めていない気がする
  • インターセプトを狙うべき場面で、相手がボールを持ってから1枚以上いかれてしまう

ここまで整理できている時点で、親御さんがかなりサッカーを分かっている。だからこそ改善が早いです。

守備の優先順位を間違えると、永遠に「追いかけ役」になる

よく「1対1の守備を教えてください」が来ますが、僕は1対1を推奨していません。理由はシンプルで、チーム戦の中で「綺麗な1対1」はほぼ起きないし、1対1にさせられている時点で不利だからです。

守備には優先順位があります。ここがズレると、守備がリアクションになって並走が増えます。

  • 最優先:インターセプト(相手が受ける前にパスカット)
  • 次点:トラップした瞬間を狙う(前を向かせない)
  • その次:前を向かれたらシュートを打たせない
  • 抜かれない、外へ追い出す、バックパスをさせる

並走が多い子は、だいたい最優先の2つ(インターセプト、トラップ直後)をすっ飛ばして、いきなり後ろの項目からスタートしています。だから追いかけ続ける形になる。

「見る順番」が遅い子は、スタートが必ず遅れる

パスを出す人は、だいたいこういう順番になります。

  • 目で見る(ターゲットを見る)
  • ボールを見る
  • 足を振り上げる

守備側がこの3つを「ただ見てるだけ」だと遅い。

目で見た瞬間に構える
ボールを見た瞬間には軽く動き出す(フライング気味でいい)。
足が上がった瞬間にダッシュ

ここがズレると、受け手は「走りたい放題」になります。

ただし。ここまで分かっていても、並走が止まらない子がいます。今回の子がまさにそれでした。


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有料パートでは、このケースで実際に改善が起きた核心である

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  • なぜ「走り出しのタイミング」を知っていても並走になるのか
  • 奪える子が必ず持っている「1歩目の角度」
  • 置いていかれないための「止まり方(減速の技術)」
  • 並走になった後でも勝てる「体の入れ方」と「押すタイミング」
  • チームの指導が曖昧でも、家庭側がブレずに整える見方

を、現場での言葉のかけ方まで含めて具体化します。


診断 並走になる子の正体は「脚が遅い」じゃない

並走になる原因を「スピード不足」にする指導が多いですが、ほとんどの場合ズレています。

今回の子の本当の問題はこの2つでした。

  • 1歩目の準備がない(出だしの形が作れていない)
  • 止まれない(トップスピードのまま入って入れ替わられるのが怖い)

止まれない子は、近づくのが怖い。だから無意識に距離を取り、結果として横並びになっていきます。ここを「気持ち」扱いすると一生直りません。技術です。

1歩目は「前に行く」じゃなく「前に立つ」

守備の1歩目は、相手に突っ込むためじゃなく、相手の前に立つために使います。

この感覚がないと、どれだけ頑張っても「追いかけっこ」になります。

ポイントは角度

  • 受け手に向かって真っ直ぐ走らない
  • パスコースを消しながら、受け手の進行方向の前に入る
  • 「奪う」は結果。最初は「前を取る」が正解

この角度が作れると、インターセプトも、トラップ直後も両方狙えるようになります。

止まり方がないと、寄せるほど不利になる

守備で一番怖いのは、寄せた瞬間に「スカン」と入れ替わること。これがある子は、寄せるのをやめて距離を取ります。だから並走が増える。

止まり方で整えたのはここです。

  • 減速は「一気にブレーキ」ではなく「細かく刻んで落とす」
  • 重心が高いまま止まろうとしない
  • 止まる直前に体が立つ子は、必ず入れ替わられる

止まり方が入ると、寄せる恐怖が消えます。恐怖が消えると、1歩目が鋭くなります。ここはメンタルではなく、順番です。

並走になった後でも勝てる「外へ追い出す」と「当てるタイミング」

並走になった時に多いのが、「ただ一緒に走ってるだけ」。これだとシュートを平気で打たれます。

やることは2つ。

1)ワンサイドカット(外へ追い出す)

  • 相手の進路を内側から消して、タッチライン方向へ
  • 横並びでも、相手の自由度を奪える

2)相手が「足を振り上げる瞬間」に当てる

シュートや強いタッチが入る瞬間、相手は一瞬止まります。そこがチャンスです。

  • 肩で軽く当てる(肩ポンで体は傾く)
  • 腕が使える状況なら、相手の腕を押して回す(ファウルにならない範囲で)

ここが抜けている子が多すぎる。並走のまま「取れない」のは当然です。

その場で再現できるチェック方法

回数は決めません。大事なのは「ハマったかどうか」だけです。

  • 受け手が受ける前に、前に立てたか
  • トラップ直後に、前を向かせずに寄せられたか
  • 寄せた後に、自分が止まれているか(突っ込み続けていないか)
  • 並走になっても、外へ追い出せているか

この4つが揃うと、守備は「リアクション」から「アクション」に切り替わります。

まとめ

最近、守備の話が「気合」「プレス」とか、言葉だけで片付けられすぎています。

もちろん強度は大事。でも、強度の前に優先順位技術がある。ここを飛ばして「行け」だけ増やすと、子どもは並走のまま自信を失います。

もしチームの指導が曖昧でも、家庭側が「何を狙う守備なのか」を整理できれば、伸び方は変わります。

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谷田部真之助

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