小6:個人レッスン/試合の入り方とプレーのムラ

症例カルテ:小6/試合の入り方とプレーのムラ(難しいプレーから入って崩れてしまうケース)

1. 基本情報

  • 学年:小学6年生
  • 性別:男の子
  • ポジション:サイドまたはトップ下の中盤の選手
  • 担当:谷田部真之助(サッカー技術の病院/個人レッスン)

2. 今回のご相談・お悩み

「試合やゲームでプレーにムラがある。
特に、最初は調子が悪いのに、途中から急に良くなるタイプで、
良いときは本当に良いが、ダメなときは全く乗れないのが悩み」というご相談でした。
保護者の方としては、『試合の入り方』と『調子が悪いときの立て直し』をどうしたらよいか知りたい、というニーズでした。

3. 事前ヒアリング内容

  • 試合の立ち上がりでミスが続きやすい
  • 時間が経つと徐々に良くなり、後半には本来の力が出てくる
  • サイドやトップ下として、難しいパスやチャレンジングなプレーをいきなり選びがち
  • 調子を崩したときに、「一度簡単なプレーに戻す」という考え方や型を持っていない
  • 保護者としては「良いときは素晴らしいが、悪いときに自分で戻せない」点を一番気にしている

4. 診断(原因と課題の整理)

レッスンとヒアリングから、主な原因は次の2点に整理されました。

  • ① 試合の入り方で、いきなり難しいプレーを選んでしまう
    ・立ち上がりから、リスクの高い縦パスやチャレンジングなドリブルを選択しやすい。
    ・成功率の低い選択が続くことで、ミス→焦り→さらに無理なチャレンジ、という流れになりやすい。
  • ② 調子が悪いときに「簡単なプレーに戻して立て直す」という発想がない
    ・「今日はダメだ」と感じたときに、何を基準にプレーをリセットすればいいかを知らない。
    ・結果として、難しいプレーを続けてしまい、さらに崩れていくパターンが多かった。

技術不足というより、プレーの難易度のコントロール(簡単なプレーと難しいプレーの使い分け)と、
崩れたときに「簡単なプレーで戻す」というゲームコントロールの考え方が身についていないことが、今回の大きなボトルネックでした。

5. 今回行った介入内容・トレーニング

レッスンでは、バルセロナの基盤づくりにも関わったヨハン・クライフの考え方をヒントにしながら、
「試合の入り方」と「立て直し方」を次のように整理してレクチャーしました。
また、プロも実際にやっている方法をレクチャーしました。

① 試合の入りは『簡単なプレー』から入る

  • 立ち上がりの数プレーは、成功率の高いシンプルなパスから入る
  • リスクの高い縦パスや、相手を何人も抜くドリブルは、リズムが整ってから出していく
  • サイド・トップ下として、
    「一度預かって叩く」「味方とのワンツー」「安全な方向へのドリブル」など、
    “まずリズムをつくるための選択”を優先する

世界のトップレベルでも重視されているように、
試合の入りの時間帯は、「試合に入る」「リズムをつかむ」ことを最優先にしたプレー選択が重要であるということを共有しました。

② 調子が崩れたときは『簡単なプレーに戻して立て直す』

  • ミスやボールロストが続いたときの立て直しの手順を明確にする
  • 具体例:
    ・1〜2タッチの簡単な横パス・バックパスで一度リズムを作る
    ・味方との距離感を整え、ボールを動かしながら自分の感覚を戻す
    ・守備の場面でしっかりボールに触り、守備から試合に入り直す
  • 「調子が悪い=全部ダメ」ではなく、
    『ここから簡単なプレーに戻して整えればいい』という考え方に切り替える練習をしました。

6. Before / After(レッスン内で見られた変化)

  • レッスン前:
    ・最初から難しいプレーを選び、ミスが続くと表情も硬くなり、さらに無理なチャレンジを重ねてしまう傾向があった。
  • レッスン後:
    ・「まずは簡単なプレーから」という意識を持つことで、序盤のパスや判断に落ち着きが出てきた
    ・ミスが出ても、「一度シンプルに戻す」という選択肢を自分で思い出し、プレーの難易度を調整しながら立て直す姿勢が見られた。

まだ1回目なので完全に習慣化したわけではありませんが、
「難しいプレーばかりを選ばない」「崩れたときは簡単なプレーで戻す」という軸を理解できたことが大きな一歩です。

7. ご家庭での取り組み方アドバイス

  • 試合前に「今日は最初はどんなプレーから入るつもり?」と、本人に説明させてみる
  • 試合後の振り返りでは、
    「最初にいきなり難しいプレーを選んでいなかったか?」
    「調子を崩したときに、簡単なプレーに戻すことはできたか?
    など、結果ではなくプレー選択の質について一緒に確認する
  • うまく立て直せた試合があれば、
    「そのとき、どんな簡単なプレーに戻したのか?」を言葉にしてメモしておく

8. 保護者の声(ご感想)※イメージ

「今までは、いきなり難しいプレーを選んでミスをして、
そのままズルズルと悪い流れにはまってしまうことが多かったのですが、
『簡単なプレーに戻していい』『そこから立て直せばいい』と教えていただいたことで、
本人も気持ちが楽になったように感じます。
サイドやトップ下として、試合のコントロールの仕方を教えてもらえたのがとても良かったです。」

9. 専門家コメント(サッカー技術の病院より)

小学生年代では、「チャレンジしなさい」という言葉だけが先行し、
簡単なプレーと難しいプレーのバランスをどう取るのかが教わられていないことが多くあります。

実際にプロの選手でも、調子が上がらない試合や、うまくいかない時間帯は必ずあります。
そういうときほど、あえてシンプルなプレーに戻し、小さな成功を積み重ねながら少しずつリズムを取り戻していきます。
こうした立て直し方は、レベルが上がるほど「当たり前のこと」として徹底されています。

今回のように、試合の入り方であえて簡単なプレーを選ぶこと
崩れたときにはシンプルなプレーに戻してゲームを落ち着かせることを理解していくと、
波の大きかった選手でも、徐々にプレーが安定していきます。

10. 同じようなお悩みをお持ちの方へ(ご相談のご案内)

「試合の入りがいつも悪い」「良いときと悪いときの差が激しい」
「難しいプレーばかり選んでしまい、ミスが続いてしまう」など、
同じようなお悩みをお持ちの方は、一度ご相談ください。

サッカー技術の病院では、技術だけでなく、プレー選択・ゲームコントロール・立て直し方まで含めて、
お子さん一人ひとりの特性に合わせて診断・介入を行っています。

まずはお気軽にご相談ください。