【指導レポート】小学3年生/ボールを奪われやすい悩みと「余裕」をつくる基礎づくり

【指導レポート】小学3年生/ボールを奪われやすい悩みと「余裕」をつくる基礎づくり

症例カルテ:小学3年生/ボールを奪われやすい悩みと「余裕」をつくる基礎づくり

1.基本情報

  • 対象:小学3年生・男の子
  • ポジション:トップ(前線のポジション)
  • 担当:サッカー家庭教師スタッフ/「サッカー技術の病院」アシスタントトレーナー 川口
  • テーマ:ボールを奪われやすい状況を改善し、「余裕」をつくる基礎づくり

2.主訴・相談内容(保護者・本人の悩み)

保護者の方からは、次のようなご相談をいただきました。

  • ボールを持つとすぐに相手に寄せられて奪われる
  • 焦って周りが見えないままプレーしてしまう
  • ボール保持時に「余裕」が作れない

本人も同じ悩みを持っており、

  • 「気づいたら相手が近くに来ていて取られてしまう」
  • 「ボールを持つと焦る」

といった不安を抱えていました。

サッカーにおいて焦りや怖さは、技術ではなく“準備”の問題であることが多く、今回はその「準備の質」を上げることをテーマにサポートを行いました。

3.事前観察・初期診断で見えたこと

① ボールを深く足元に入れすぎている

  • ボールが足元の真下に入り込んでしまい、一歩目が出ない状態。
  • 相手が寄せてきた瞬間に選択肢がなくなり、「止まる」しかできない。
  • 止まったところを一気に詰められて奪われる、という悪循環になっていました。

② トラップ後に下を見続けてしまう

  • トラップした瞬間に視線がガッと下に固定され、0.5〜1秒ほど顔が上がらないクセがある。
  • このわずかな間に、相手が一気に距離を詰めてきてしまう。
  • サッカーでは0.5秒=約2〜3メートル分の差になるため、視線固定が大きなロスになっていました。

③ 周囲を確認するタイミングがない

  • 周囲を確認する事前の「見る習慣」が身についていない。
  • 「見たい瞬間には、もう相手が近い」という状況が多く、判断が一歩遅れがち。

4.診断のまとめ

今回の「ボールをすぐ奪われてしまう」原因は、

  • 技術そのものの不足ではなく、視野の作り方(目の使い方)
  • ボールの置き所(足元の真下ではなく、一歩先)
  • 周囲を確認する準備のタイミング

といった「準備」の質が整っていないことにあると判断しました。

5.介入内容① 視野の作り方(目の使い方)

「ずっとボールだけを見ている」クセを改善するために、次のようなイメージを使って伝えました。

  • 「犬の散歩のように、周りを見ながらボールをチラッと確認する」という比喩

具体的には、

  • ボールは触る瞬間だけチラ見でOK
  • トラップした直後に顔を上げる
  • 「見える状態でプレーする」習慣をつける

最初は「周りを見ながらのトラップが怖い」という言葉も出ていましたが、数分の練習で感覚をつかみ始め、徐々に周りを見ながらプレーできる時間が増えていきました。

6.介入内容② ボールを置く位置(体の一歩先)

ボールを足元に深く入れてしまうクセを修正し、「体の一歩先」にボールを置くことで、動きながら判断できる形を作りました。

  • 一歩目が出やすくなる
  • 相手との距離が自然に作れる
  • パス・シュートのスピードが自然と上がる

ボールの置き所を変えた瞬間、本人からは

  • 「動ける!」
  • 「前に行きやすい!」

といった反応が出てきて、自分でも変化を実感している様子が見られました。
ボールを「足元で止めてから考える」ではなく、動きながら判断するテンポに変わったことで、プレー全体のスピード感も明らかに上がりました。

7.Before / After(本人の実感とプレーの変化)

本人の感想

  • 「周りが見えるようになった!」
  • 「ボールを前に置くとすぐ動ける!」
  • 「パスが速くなった!」

終盤のミニゲームでは、

  • 相手を横にずらしてからパスを出す
  • 周りを見て、空いている味方を選ぶ

など、視野を活かしたプレーも出てきて、本人もとても嬉しそうな表情を見せていました。

保護者の方の声

レッスン後、保護者の方からは次のようなご感想をいただきました。

「今日は本当にプレーが変わったと感じました。今まではボールを持つと焦ってしまっていたのに、周りを見て落ち着いて判断している姿に驚きました。ボールの置き方が変わったことでスムーズにプレーできるようになり、親から見ても成長を感じます。本人も『今日めっちゃできた!』と嬉しそうでした。」

8.今後の改善ポイント:トップで背を向けすぎない動作づくり

次のステップとしては、トップでボールを受ける際に「完全に背を向けすぎない」ことが大きなテーマになります。

現状の課題:

  • 受ける瞬間に背中が固定されてしまい、前を向くチャンスを逃している
  • 相手の圧をもろに受ける形になりやすい
  • 選択肢が減り、苦しい体勢からプレーせざるを得ない

今後のレッスンでは、

  • 半身で受ける準備
  • ワンタッチ目で前を向くための仕込み
  • 相手を外しながら受ける「オープン」の動き
  • 背負った状態からのターンのバリエーション

などを中心にサポートし、「前を向いて状況を変えられるトップ」を目指していきます。

9.総評(トレーナーコメント)

今回のレッスンは、「視野」と「ボールの置き所」が変わるだけで、プレーが劇的に変わることを改めて実感できたケースでした。
小学3年生という年代は、足技の派手さよりも、どこにボールを置くか・いつ何を見るかといった「準備の質」で差がつきやすい時期です。

正しい基礎が一度ハマると、4年・5年と学年が上がるにつれてプレーの伸び方がまったく変わります
これからも、本人が自信を持ってボールを持ち、「余裕のあるプレー」を増やしていけるよう、継続的にサポートしていきます。

10.同じようなお悩みをお持ちの方へ(ご相談のご案内)

今回のように、

  • ボールを持つとすぐ相手に寄せられて奪われてしまう
  • ボールを持った瞬間に焦ってしまい、周りが見えなくなる
  • 「余裕」が作れず、いつも慌てたプレーになってしまう

といったお悩みは、小学3年生前後の年代で非常に多く見られます。
多くの場合、技術そのものではなく「視野」と「ボールの置き所」、そして「準備のタイミング」を整えることで、一気に変化が出てきます。

「うちの子もボールをすぐ奪われてしまう」「焦ってしまうクセを何とかしてあげたい」という方は、
一度、現在のプレーを丁寧に診断するところから始めてみてください。

サッカー家庭教師・サッカー技術の病院では、スタート診断や個別相談を通して、
お子さん一人ひとりの状態に合わせた改善ステップをご提案しています。
まずはお気軽にご相談ください。