サッカー個人レッスン|点が取れるシュート練習!
【少年サッカー】「守備が軽い」「パスが取れない」と悩む親子へ。才能じゃなかった!誰でも変われる2つの身体操作
週末の試合、ビデオカメラ越しにお子さんのプレーを見ていて、こんな風に思ったことはありませんか?
「どうしてウチの子は、あんなに簡単に抜かれちゃうんだろう……」
「せっかくパスが来たのに、なんで慌ててミスしちゃうの?」
コーチからは「もっと激しく行け!」「周りを見ろ!」なんて声が飛ぶけれど、子供は困惑するばかり。親としても、精神論ではなく「具体的にどうすればいいのか」を教えてあげたいけれど、経験がないと難しいですよね。
実は、少年サッカー(特に幼児や低学年、初心者)の悩みである「守備の軽さ」と「パスレシーブのミス」には、明確な原因があります。そしてそれは、運動神経や才能の問題ではなく、単純に「体の使い方のコツ」を知らないだけなのです。
今回は、人気YouTubeチャンネル「サッカー個人レッスンサッカー家庭教師:谷田部」で公開された2つの神回動画を元に、明日からのプレーが激変する具体的な改善テクニックを深掘りしてご紹介します。
第1章:なぜ、子供のディフェンスは「軽い」と言われるのか?
まずは、多くの親御さんが頭を抱える「守備」の問題から。
相手のドリブルを止めに行っても、ひょいとかわされてしまう。体が当たっていない。これがいわゆる「軽いディフェンス」です。動画内では、この現象の心理的な背景と、驚くほどシンプルな解決策が解説されていました。
「怖い」から腰が引けてしまう心理
初心者の子や、まだコンタクトに慣れていない子がやりがちなのが、「足先だけでボールをつつきに行く」という動作です。
動画で「女子の体育のサッカーのよう」と例えられていましたが、これは決してバカにしているわけではありません。人間の本能として、ぶつかるのが怖いから腰が引け、一番遠くまで届く「足」だけをチョンと出して何とかしようとする。まさに「恐怖心」が形になった姿勢なんですね。
しかし、ドリブラーからすれば、これはカモでしかありません。ディフェンダーが勝手に腰を引いてバランスを崩してくれているので、出した足をかわすだけで簡単に突破できてしまうのです。
魔法の合言葉は「パーでパンチ」
では、強い選手はどうしているのか。答えは「手(腕)」を使っているんです。
ここで谷田部さんが提案する指導法が、目からウロコでした。子供に教える時は、難しい理屈抜きでこう伝えてください。
「相手にパーでパンチしてみな!」
「えっ、パンチなんてしたらファウルでしょ?退場になっちゃうよ!」と思いますよね。もちろん、グーで殴りかかったらアウトです。でも、ここで言うのは「手のひら(パー)」で相手の胸や肩あたりを「ドンッ」と制する動作のこと。
多くの子供は、まるで博物館の展示物に「触ってもいいですよ」と言われても恐る恐る指先で触れるような、遠慮がちな触り方をしています。あるいは「押しちゃダメだ」と思い込んでいます。
だからこそ、「グーはダメだけど、パーなら思いっきりパンチ(プッシュ)していいんだよ」という明確な基準を与えてあげる。そうすると、子供は迷いなく腕を伸ばして相手にコンタクトできるようになります。これはルール上も「正当なチャージ」や「相手を抑える手」として認められる動きです。
腕を伸ばすだけで「ゴール」が遠くなる理論
この「パーでパンチ(腕を伸ばして触る)」には、精神的な強さだけでなく、物理的なメリットが2つあります。
① 相手との距離(リーチ)を稼げる
腕を縮めて体の近くで構えていると、相手は自分の懐(ふところ)深くまで簡単に侵入できてしまいます。しかし、腕をピンと伸ばして相手に触っておけば、相手はその腕の長さ分(約30センチ以上!)だけ、外側を回らなければなりません。
動画ではこれを「100メートル走のゴールテープが後ろに下がるようなもの」と表現していました。腕一本分、相手が自分を抜き去るまでの距離が伸びる。つまり、抜かれるまでの「時間」が稼げるんです。その間に足を出してボールを奪えばいい。この余裕が「重い守備」を作ります。
② 実は怪我の防止になる(セーフティ)
「ぶつかるのは危ない」と思いがちですが、実は逆です。お互いにハイスピードで動いている中で、何の情報もなく急に足を出したり止まったりすれば衝突事故になります。
しかし、手を相手に当てておくことは、車のウインカーやセンサーの役割を果たします。「ここに自分がいるよ」「これからボールを取りに行くよ」と相手に伝え、相手の動きを腕で感じ取る。これが自分と相手を守る命綱になるのです。
第2章:パスがもらえない子の共通点は「おへそ」
守備ができるようになったら、次は攻撃です。こんなシーン、ありませんか?
味方がパスを出そうとしているのに気づいていない。あるいは、パスが来てから慌てて向きを変えようとして、ボールが足につかずに奪われる。
ここで役立つのが、2本目の動画『パスをもらうための身体の向きを作るステップワーク』です。上手い子とそうでない子の差は、足元の技術以前に「準備」にありました。
ボールを持っている人に「おへそビーム」を当てる
パスがうまく受けられない子の多くは、ボールが動いているのに、体(おへそ)が違う方向を向いたまま、首だけでボールを追っています。これでは、いざパスが来た時に体の構造上、スムーズに足が出ません。
解決策はシンプルです。
「ボールを持っている人(パサー)に、常におへそを向け続けること」。
私はこれを子供たちに「おへそビーム」と呼んで説明しています。「おへそからビームが出ていると思って、ボールを持っている味方を常に照らし続けなさい」と。
サボらずにステップを踏む重要性
口で言うのは簡単ですが、これを実践するには「ステップワーク」が必要です。
ボールが左に動いたら、自分も細かくステップを踏んで左を向く。右に行ったら、右を向く。動画内では、この地味な作業をサボらないことが何より大切だと説かれています。
常に体の正面(おへそ)でボールを受けられる状態を作っておけば、多少パスがズレても対応できますし、次のプレー(ドリブルやシュート)へスムーズに移行できます。
何より、おへそを向けて待っている姿は、味方に対して「いつでもパスちょうだい!準備できてるよ!」という強烈なメッセージになります。上手い司令塔タイプの子は、こういう準備ができている子を見逃しません。「あいつならパスを出しても大丈夫だ」と信頼され、自然とボールが集まるようになるのです。
今日からできる!親子練習メニュー完全ガイド
動画の理論を理解したところで、週末にお子さんと一緒にできる練習メニューをまとめました。特別な道具は必要ありません。
【守備編】パーでパンチ&通せんぼ
- 静止状態で「距離感」を掴む
まずはお互いに立った状態で、子供に「パーの手」を出させ、親御さんの胸や肩をググっと押させます。「肘が伸びきるまで」遠くで触るのがポイント。「グーは痛いけど、パーなら強く押してもOK」という感覚を覚えさせましょう。 - ドリブルを止める実践練習
親御さんがゆっくりドリブルで進みます。子供は横や斜め前から近づき、足で行くのではなく、まず「手」で親御さんの体を制します。
「手で相手のスピードを殺してから、ボールを奪う」という順序を徹底させてください。最初はボールを取らなくていいので、「手で触る」ことだけに集中させると恐怖心が薄れます。
【攻撃編】おへそビーム・ステップ
- 円の動きで向きを変える
親御さんがボールを持って、子供の周りをグルグルと回ります(あるいは左右に大きく移動します)。 - ステップで追尾する
親御さんの移動に合わせて、子供はその場で細かくステップを踏み、常におへそがボールの正面に来るように向きを変え続けます。
「今、おへそビーム当たってる?ズレてない?」と声をかけてあげてください。 - 実際にパスを出してみる
向きが合ったタイミングでパッとパスを出します。正面で待ち構えているので、驚くほど簡単にトラップできるはずです。
まとめ:身体操作が変われば、心も変わる
「守備は手(腕)を使う」
「攻撃はおへそを向ける」
どちらも、言われてみれば「なんだ、そんなことか」と思うようなシンプルな動作です。しかし、この小さな身体操作の違いが、グラウンド上では「自信」という大きな差になって表れます。
腕を使って相手を止められた経験は、「僕も当たり負けしないんだ!」という自信になり、消極的だったプレーを積極的なものに変えます。
おへそを向けて準備ができるようになれば、「いつパスが来ても大丈夫」という余裕が生まれ、周りを見る力が養われます。
「うちの子、才能ないのかな…」と落ち込む前に、ぜひこの週末、騙されたと思って「パーでパンチ」と「おへそビーム」を試してみてください。きっと、今まで見たことのない頼もしいお子さんの姿が見られるはずです。

